まちの文化財(229)安田臣氏の建築

更新日:2024年06月07日

南面はガラス張りの2階建て建築

南面はガラス張りの2階建て建築

北面は3階建ての建築

北面は3階建ての建築

見る角度によって変化する東面

見る角度によって変化する東面

庁舎付近の案内図

庁舎付近の案内図

昭和46年12月7日、関宮町役場と山村開発センター(関宮エイドホール)の建物が同時に完成しました。

旧関宮町役場は北側からみると鉄筋3階建て、南側からみると2階建てにみえます。北側は3階の壁が張り出した威圧感のある壁面を作る一方で、南側は2階の窓が連続する柔らかい印象の建物です。見る方向によって形が大きく変化します。優れた個性と表情を備えた機能的な建築です。

2棟の建物は東京の安田臣(やすだかたし)建築設計事務所による設計です。安田臣氏は島根県出身で、昭和38年に建設省営繕局監督課長を退職した建築家です。昭和34年に島根県庁と県庁議事堂、昭和37年に大分県庁、昭和41年に島根県民会館を設計しました。

この当時の関宮町役場は小さな木造2階建てでした。安田氏が設計した鳥取県の佐治村山村開発センターを視察し、関宮町役場と山村開発センターの新築を進めました。

安田氏は、完成記念の関宮町広報に「過疎化した町に新しい町の中心地が構成され、町民の皆様に喜んで使っていただき、町に若い人々と共に、新生ないぶきが通い、新しい時代の若さがおとずれることを祈念する」、「関宮町の近代化のために役立ちたいと願う」と記しています。農村地域の発展に対する期待がこめられています。

養父市では他に、昭和49年、中央に高い塔が伸びた八鹿町民会館と八鹿町民会館大ホールが安田氏の設計で建築されています。兵庫県では安田氏の設計によって4棟の建築が作られました。

令和5年度、老朽化した旧関宮町役場は解体され、その跡には、市民活動の核となる[関宮小さな拠点整備事業」により新しい施設が建設されます。

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