○養父市農業次世代人材投資資金交付規則
平成29年8月4日
規則第23号
養父市青年就農給付金給付規則(平成25年養父市規則第6号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この規則は、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日付け23経営第3543号農林水産事務次官依命通知)に基づき、次世代を担う農業者となることを志向する者に対し、就農直後の経営確立に資する農業次世代人材投資資金(以下「資金」という。)を交付することについて必要な事項を定めるものとする。
(交付要件等)
第2条 この規則による資金の交付を受けることができる者は、次に掲げる要件のいずれも満たす者とする。
(1) 独立・自営就農時の年齢が、原則として50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること。
ア 農地の所有権又は利用権(農地法第3条に基づく農業委員会の許可を受けたもの、同条第1項各号に該当するもの、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第19条に基づく公告があったもの、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第105号)第18条に基づく公告があったもの、都市農地の貸借の円滑化に関する法律(平成30年法律第60号)第4条に基づく認定を受けたもの又は特定作業受委託契約を締結したもののいずれか。)を交付対象者が有していること。
イ 主要な農業機械及び施設を交付対象者が所有し、又は借りていること。
ウ 生産物や生産資材等を交付対象者の名義で出荷し、取引すること。
エ 交付対象者の農産物等の売上げや経費の支出などの経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 基盤強化法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項に規定する認定の取消しを受けた場合及び同条第3項に規定する認定の効力を失った場合を除く。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン、農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(5) 経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ、交付期間中に、新規作目の導入、経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。)と同等の経営リスクを負って経営を開始する青年等就農計画等であると市長に認められること。この場合、市長は当該経営が新規参入者と同等の経営リスクを負っていると認めた根拠及び考え方を整理し、国から照会があった場合は提示する。なお、1戸1法人(原則として世帯員のみで構成される法人)以外の農業法人を継承する場合は、交付の対象外とする。
(6) 人・農地プランの具体的な進め方について(令和元年6月26日付け元経営第494号経営局長通知。以下「人・農地プラン進め方通知」という。)の2の(1)の実質化された人・農地プラン、同通知3により実質化された人・農地プランとみなすことができると判断できる既存の人・農地プラン及び同通知4により実質化された人・農地プランとして取り扱うことのできる人・農地プラン以外の同種取決め等(以下「人・農地プラン」という。)に中心となる経営体として位置づけられている又は位置づけられることが確実と見込まれていること。あるいは、農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「人・農地プランに位置づけられた者等」という。)。
(7) 次に掲げる要件に該当していること。
ア 原則として生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと。
イ 農の雇用事業による助成金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
ウ 経営継承・発展等支援事業実施要綱(令和3年3月26日付け2経営第2988号農林水産事務次官依命通知)別記1の経営継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
(8) 園芸施設共済の引受対象となる施設を所有する場合は、当該施設において、気象災害等による被災に備えて、園芸施設共済、民間事業者が提供する保険又は施工業者等による保証等に加入している、又は加入することが確実と見込まれること。
(9) 前年の世帯全体の所得が600万円以下(被災による資金の交付休止期間中の所得を除く。以下同じ。)であること。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合に限り、採択及び交付を可能とする。この場合、市長は生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると認めた根拠及び考え方を整理し、国からの照会があった場合は提示するものとする。
(10) 就農する地域における将来の農業の担い手として、地域コミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持・発展に向けた活動に協力する意思があること。
(交付金額及び交付期間)
第3条 資金の額及び交付期間は、次のとおりとする。
(1) 資金の額は、経営開始1年目から経営開始3年目までは交付期間1年につき1人当たり150万円、経営開始4年目以降は交付期間1年につき1人当たり120万円を交付する。また、交付期間は最長5年間(経営開始後5年度目分まで)とする。
(2) 夫婦で農業経営を開始し、次の要件を満たす場合は、交付期間1年につき夫婦合わせて、前号の額に1.5を乗じて得た額(1円未満切捨て)を交付する。
ア 家族経営協定を締結しており、夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
イ 主要な経営資産を夫婦で共に所有し、又は借りていること。
ウ 夫婦共に人・農地プランに位置づけられた者等となること。
(交付申請)
第8条 青年等就農計画等の承認を受けた者が、資金の交付を受けようとするときは、市長に農業次世代人材投資資金(経営開始型)交付申請書(様式第5号)を提出しなければならない。交付申請は、半年分又は1年分を単位として行うことを基本とし、原則として、申請する資金の対象期間の最初の日から1年以内に行うものとする。また、申請の対象は、令和2年4月以降の農業経営とする。
(資金の交付)
第9条 市長は、申請の内容が適当であると認めた場合は農業次世代人材投資資金交付決定通知書(様式第6号)により交付対象者へ通知し資金を交付する。資金の交付は半年分を単位として行うことを基本とし、青年等就農計画の承認後、速やかに資金の交付を行うものとする。なお、市長の判断により、1年分の資金を一括で交付することができるものとする。
2 市長は、前条第2項の変更申請を受けたときは、申請内容を審査の上、変更の内容が適当であると認める場合は、予算の範囲内で変更した内容に基づき交付金を交付するものとする。
(交付の中止)
第10条 資金の交付を受けた者(以下「資金交付対象者」という。)は資金の受給を中止する場合は市長に中止届(様式第7号)を提出しなければならない。
(交付の休止)
第11条 資金交付対象者は、病気等のやむを得ない理由により就農を休止する場合は市長に休止届(様式第8号)を提出する。なお、休止期間は原則1年以内とする。
2 市長は、資金交付対象者から休止届の提出があり、やむを得ないと認められる場合は、資金の交付を休止する。なお、やむを得ないと認められない場合は、資金の交付を中止する。
(交付の再開)
第12条 前項の休止届を提出した資金交付対象者が就農を再開する場合は市長に経営再開届(様式第9号)を提出しなければならない。
2 市長は資金交付対象者から経営再開届の提出があり、適切に農業経営を行うことができると認められる場合は、資金の交付を再開する。
(資金の交付停止)
第13条 市長は、次に掲げる事項に該当する場合は、資金の交付を停止する。
(1) 第2条の要件を満たさなくなった場合
(2) 農業経営を中止した場合
(3) 農業経営を休止した場合
(4) 第17条の報告を行わなかった場合
(6) 国や県等が実施する報告の徴収又は立入調査に協力しない場合
(7) 第19条の中間評価によりB評価と判断された場合
(8) 前年の世帯全体の所得が600万円を超えた場合(その後、世帯全体の所得が600万円以下となった場合は、翌年から交付を再開することができる)。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合に限り、交付を可能とする。
(2) 虚偽の申請等を行った場合は、資金の全額を返還する。
(3) 資金の交付期間(休止等、実際に交付を受けなかった期間を除く。)と同期間、同程度の営農を継続しなかった場合にあっては、交付済みの資金の総額に、営農を継続しなかった期間(月単位)を交付期間(月単位)で除した値を乗じた額を返還する。ただし、第19条の中間評価によりB評価とされた者を除く。
2 市長は、資金受給者が前項に該当した場合は、資金受給者に資金の返還を命ずるものとする。
3 市長は、資金受給者から資金の返還があったときは、速やかに返還された資金を兵庫県に対して返還するものとする。
(資金返還の免除)
第15条 資金受給者は、第14条第1項ただし書の病気や災害等のやむを得ない事情に該当し、返還の免除を受けようとする場合は、返還免除申請書(様式第10号)を市長に提出しなければならない。
2 市長は、前項の返還免除申請書の申請内容が妥当と認める場合は、資金の返還を免除することができる。
(サポート体制の整備)
第16条 市長は、平成29年度以降の新規交付対象者の「経営・技術」、「営農資金」、「農地」の各課題に対応できるよう、朝来農業改善普及センター、たじま農業協同組合、養父市農業委員会等の関係機関に所属する者及び指導農業士等の関係者で構成するサポート体制を構築し、別紙様式第25号別添により、当該サポート体制等を記載した新規就農者に対するサポート計画(以下「地域サポート計画」という。)を新規就農者の支援ニーズを把握した上で作成し、公表するものとする。
2 市長は、当該サポート体制の中から、交付対象者ごとに「経営・技術」、「営農資金」、「農地」のそれぞれ専属の担当者(サポートチーム)を選任し、選択された交付対象者のサポートチームについては、新規就農者の農業経営、地域生活等の諸課題に対して適切な助言及び指導が可能な農業者を参画させることを必須とし、当該農業者は、交付対象者の農業経営、地域生活等に関する相談に乗り、必要に応じて助言及び指導を行うものとする。
(1) 第2条に規定する青年等就農計画作成への助言及び指導
(2) 第4条に規定する就農状況の確認、助言及び指導
(3) 第5条に規定する審査への参加
(4) 第19条に規定する中間評価会の参加
(5) 第19条に規定する中間評価会の結果において、令和2年度以前に採択された交付対象者についてはB評価相当の者、令和3年度以降に採択された交付対象者については、A評価の者のうち、重点指導が必要であると判断された者に対する重点指導の実施
(就農状況報告等)
第17条 資金交付対象者は、交付期間中、毎年7月末及び1月末までにその直前の6箇月の就農状況報告(様式第11号)を市長に提出しなければならない。
3 資金交付対象者は、交付期間終了後5年間の間に農業経営を中止し、離農した場合は、離農届(様式第13号)を市長に提出しなければならない。
ア 開始型交付対象者への面談
(ア) 営農に対する取組状況
(イ) 栽培・経営管理状況
(ウ) 青年等就農計画等達成に向けた取組状況
(エ) 労働環境等に対する取組状況
イ ほ場確認
(ア) 耕作すべき農地が遊休化されていないか
(イ) 農作物を適切に生産しているか
ウ 書類確認
(ア) 作業日誌
(イ) 帳簿
(ウ) 農地の権利設定の状況が確認できる書類(農地基本台帳、農地法第3条の許可を受けた使用貸借、賃貸借又は売買契約書及び公告)
(交付対象者の中間評価)
第19条 市長は、資金交付対象者の交付期間3年目が終了した時点で、当該資金交付対象者の農業所得及び農業収入等の状況や経営の課題等を交付対象者及びサポートチーム等関係機関が確認し、経営改善に役立てるとともに、青年等就農計画の達成に向けて指導が必要なものに対して重点的にサポートするため、以下のとおり中間評価を実施する。
(1) 市長は、サポートチーム、関係機関等や指導農業士等の関係者で構成する評価会を設置する。
(3) 次号の評価区分のうち、Aに該当する者は次いずれかに該当する者とする。
ア 経営3年目の農業所得が、青年等就農計画における経営開始5年目の農業所得目標(以下「農業所得目標」という。)の概ね1/2を達成する者
イ アの基準を達成できていないが、次に掲げるいずれかに該当する者で、農業所得目標の達成が見込めると市長が認めるもの
(ア) 設備投資等の費用がかさんだことが原因で経営開始3年目の農業収入が、様式第1号―2別添1収支計画における経営開始5年目の農業収入目標(以下「農業収入目標」という。)の概ね1/2を達成できていない者
(イ) 災害による収量低下、市場価格の下落等、本人の責によらない原因により農業所得目標又は農業収入目標の概ね1/2を達成できていない者
(4) 評価区分は、A(順調)、B(順調ではない)の2段階とする。
(5) 市長は、A評価の交付対象者については、引き続き交付を継続する。また、A評価の者のうち、農業所得目標の達成に向けて重点指導が必要な者であると評価会で判断された者については、サポートチームが中心となって重点指導を行う。なお、B評価の者については、資金交付を停止する。
(住所の変更)
第20条 資金受給者は、交付期間内及び交付期間終了後5年間に氏名、居住地や電話番号等を変更した場合は、変更後1か月以内に住所等変更届(様式第15号)を市長に提出しなければならない。
(立入検査)
第21条 市長は、この事業の適切な実施及び効果を確認するため、交付対象者に対し、必要な書類の報告を求め、及び現地への立入調査を行うことができる。
(公表)
第22条 市長は、資金受給者が偽りその他の不正行為により、本来受給することのできない資金を不正に受給したことが明らかとなったときは、不正行為を行った者の氏名及びその内容を公表することができる。
(その他)
第23条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この規則は、公布の日から施行し、平成29年4月1日から適用する。ただし、平成29年3月31日以前に養父市青年就農給付金給付規則(平成25年養父市規則第6号)により、経営開始計画を承認された給付対象者については、本規則に基づき対象期間における給付を継続する。
附則(令和元年規則第9号)
この規則は、公布の日から施行し、平成31年4月1日から適用する。
附則(令和2年規則第38号)
この規則は、公布の日から施行し、令和2年4月1日から適用する。
附則(令和3年規則第29号)
この規則は、公布の日から施行し、令和3年4月1日から適用する。
附則(令和4年規則第8号)
この規則は、公布の日から施行し、令和3年4月1日から適用する。
別表(第5条、第13条、第18条関係)
交付対象者の考え方について(経営開始型) |
1 新規採択者 青年等就農計画等及び面談等により、以下の全てを満たすと確認できる者とする。 ①明確な将来の農業経営の構想があり、次世代を担う農業者になることについて強い意欲を有し、経営の発展性の高い者 ②前年の世帯全体の所得が600万円以下である者 ③地域の担い手として期待されている者 ④将来にわたって営農継続が期待される者 |
2 継続者 就農状況報告及び面談等により、以下の全てを満たすと確認できる者とする。 ①次世代を担う農業者となることについて強い意欲を有しており、サポートチーム等の関係機関及び関係者の助言・指導に従う者 ②営農に必要な技術や経営ノウハウを有し、適切な営農及び経営管理ができており、また、更なる経営発展に向けて積極的に取り組んでいる者 ③自身の経営状況・課題を把握し、改善に取り組んでいる者 ④年間150日かつ1,200時間以上で年間を通じて農業生産に従事している者 ⑤概ね収支計画どおりの経営規模、生産量、売上高等を達成しており、青年等就農計画等の目標達成が実現可能と見込まれる者(ただし、災害等計画作成時点で想定できなかった事態が発生した場合は除く。) ⑥労働環境の整備や農作業安全・食品衛生管理に取り組んでいる者 ⑦将来にわたって営農継続が期待される者 |