○養父市介護保険サービス事業者の指導及び監査実施要綱

平成20年3月31日

告示第35号

(趣旨)

第1条 この告示は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)の規定に基づき、介護保険に係るサービス提供事業者等(以下「サービス事業者」という。)に対して、市が行う指導及び監査について基本的事項を定める。

(指導及び監査の目的)

第2条 指導及び監査は、サービス事業者に対して行う介護給付及び予防給付(以下「介護給付等」という。)に係る居宅サービス等(以下「介護給付等対象サービス」という。)の内容並びに介護給付等に係る費用(以下「介護報酬」という。)の請求等に関し、法令、通達等に対する適合状況等について、個別に明らかにし、必要な助言及び指導又は是正の措置を講ずることにより、介護給付等対象サービスの質の確保、利用者保護及び保険給付の適正化を図ることを目的とする。

(指導及び監査の対象)

第3条 指導及び監査の対象は、次に掲げるサービス事業者とする。

(1) 指定居宅サービス事業者及び指定介護予防サービス事業者

(2) 指定地域密着型サービス事業者及び指定地域密着型介護予防サービス事業者

(3) 指定居宅介護支援事業者

(4) 指定介護予防支援事業者

(5) 指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び指定介護療養型医療施設

(6) 居宅介護及び介護予防のための住宅改修を行う者

(7) 第1号から第5号までの特例によりサービスを行う者

(指導の方針)

第4条 指導は、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬の請求等に関する事項について周知徹底させるとともに、法令、通達等に照らし改善の必要があると認められる事項については、適切な助言及び指導を行うことを方針として実施する。

(指導の形態等)

第5条 指導の形態は、次のとおりとする。

(1) 集団指導

指導の対象となるサービス事業者を、必要な指導の内容に応じ、一定の場所に集めて講習等の方法により行う。

(2) 書面指導

指導の対象となるサービス事業者から書面の提出を受けた上で、一定の場所で面談形式等により行う。ただし、事前に提出された書面を確認した結果、面談の必要がないと判断した場合は、面談を省略することができるものとする。

(3) 実地指導

指導の対象となるサービス事業者の事業所において行う。

 一般指導

市が単独で行うもの

 合同指導

市が厚生労働省や兵庫県等と合同で行うもの

(指導対象の選定基準)

第6条 指導は、すべてのサービス事業者を対象とし、指導対象の選定基準は別表第1のとおりとする。なお、選定に当たっては、利用者、保険者及び兵庫県からの情報のみならず、国民健康保険団体連合会(以下「国保連」という。)の介護給付費適正化システムによる情報を活用するものとする。

2 サービス事業者に対し、兵庫県等が一般指導等を行った結果、特に問題が認められなかったサービス事業者については、当該年度における実地指導は省略して差し支えないものとする。ただし、第3条第2号及び第4号に該当する事業所については、別に定める基準により選定するものとする。

(指導の実施方針及び実施計画)

第7条 指導を効率的かつ効果的に実施するため、指導の重点事項及び指導目標等を掲げる指導実施方針(以下「実施方針」という。)を毎年度定めるものとする。

2 実施方針に基づき、当該年度の実施計画を作成するものとする。

(指導の実施方法等)

第8条 指導の実施方法等は、次のとおりとする。

(1) 集団指導

 指導通知

指導対象となるサービス事業者を決定したときは、あらかじめ集団指導の実施日、場所、出席者、指導内容等を当該サービス事業者に通知する。

 指導方法

指導は、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬の請求の内容、制度改正内容、過去の指導事例等について、講習等の方式で行う。

(2) 書面指導

 指導通知

指導対象となるサービス事業者を決定したときは、あらかじめ書面指導の実施日、場所、出席者、提出書類等を当該サービス事業者に通知する。

 指導方法

指導は、関係法令、通達等に基づき、提出書類等を確認して個別に行う。

 指導結果の通知等

指導の結果、改善を要すると認められた事項については、後日、文書により指導結果を通知する。

 改善報告書の提出

文書により改善を指摘したサービス事業者に対しては、指導結果通知後30日以内に、改善報告書の提出を求める。

(3) 実地指導

 指導通知

指導対象となるサービス事業者を決定したときは、予め実地指導の根拠規定、目的、実施日、場所、指導担当者、出席者、準備すべき書類等を当該サービス事業者に通知する。

ただし、緊急に指導を実施する必要があると判断した場合には、指導の開始時に通知を行うことができるものとする。

 指導方法

指導は、2人以上の指導班を編制して、関係法令、通達等に基づき、関係書類等を閲覧し、関係者との面談方式で行う。

 指導結果の通知等

指導の結果、改善を要すると認められた事項については、後日、文書により指導結果を通知する。

 改善報告書の提出

文書により改善を指摘したサービス事業者に対しては、指導結果通知後30日以内に、改善報告書の提出を求める。

(調査書等の提出)

第9条 書面指導及び実地指導の実施に当たっては、サービス事業者にあらかじめ指導に必要な書類の提出を求めることができる。

(指導後の措置)

第10条 書面指導の結果、指摘した事項について改善が不十分な場合等必要があると認められたときは、実地指導を行う。

2 実地指導の結果、軽微な指摘事項はあるが、概ね適正な事業運営が確保されていると認められる場合は、助言指導のほか文書による改善事項指摘の通知等による行政指導を実施する。

3 前項の規定による行政指導の実施にもかかわらず、指摘した事項に改善がみられないサービス事業者については、必要に応じて、再度、実地指導等を行う。

4 実地指導の結果、基準違反が確認された場合は、改善の可能性、時期等を勘案し、法に規定する勧告を実施する。勧告した事項について定められた期間内に従わなかったサービス事業者については、その旨を公表するとともに、法に規定する命令を実施する。

5 命令した事項について定められた期間内に従わなかったサービス事業者については、その旨を公示し、必要な行政処分を実施する。

6 実地指導の結果、第13条に規定する監査の選定基準に該当すると判断した場合は、速やかに監査を行う。

7 実地指導の結果、介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の請求等に関し、不当な事実を確認したときは、当該サービス事業者に対し自主返還等を行うよう指導する。

(指導拒否への対応)

第11条 正当な理由がなく書面指導を拒否した場合は、実地指導を行う。

2 正当な理由がなく実地指導を拒否した場合は、監査を行う。

(監査の方針)

第12条 監査は、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬の請求等に関する事項について不正又は不当が疑われる場合において、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置を行うことを方針とする。

(監査の選定基準)

第13条 監査は、サービス事業者が、別表第2のいずれかに該当する場合に行う。

(監査方法等)

第14条 監査の実施方法等は、次のとおりとする。

(1) 事前調査

監査担当者は、原則として監査を実施する前に、介護給付費請求書等による書面調査を行うとともに、必要と認められる場合には、介護給付を受けた要介護者又は要支援者(以下「要介護者等」という。)に対する実地調査を行う。

(2) 実地通知

監査対象となるサービス事業者を決定したときは、あらかじめ監査の根拠規定、実施日、場所、監査担当者、出席者、準備すべき書類等を当該サービス事業者に通知する。

(3) 出席者

監査に当たっては、監査対象となるサービス事業者の開設者及び管理者の出席を求めるほか、必要に応じて介護給付等対象サービスの担当者、介護報酬請求の担当者等の出席を求めることができる。

(4) 監査調書の作成

監査担当者は、監査後、監査調書を作成する。

(5) 監査体制等

監査の実施に当たっては、原則として実地指導を担当した職員により編成し、課長級の職にある者を長とする。

(監査後の措置)

第15条 監査後の措置は、次のとおりとする。

(1) 行政上の措置

 法第78条の8、第78条の9、第115条の16、第115条の17、第115条の25及び第115条の26の規定に基づく勧告、措置命令、指定の全部又は一部の効力停止及び指定の取消し(以下「指定取消等処分」といい、勧告及び命令とあわせて「指定の取消し等」という。)とする。なお、指定基準に従った適正な運営が行われておらず、直ちに指定取消等処分ができる事由は、別表第3のとおりとする。

 監査の結果、当該サービス事業者が指定取消等処分に該当すると認められる場合は、監査後、指定取消等処分予定者に対して、行政手続法(平成5年法律第88号)の規定に基づき聴聞又は弁明の機会の付与を行わなければならない。

 指定の取消し等を行うにいたらないと認められる場合には、第10条に規定する指導後の措置に準じて指導する。

(2) 経済上の措置

 監査の結果、介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の請求等に関し、不正又は不当の事実が認められ、これに関わる返還金が生じた場合には、法第22条第3項に基づき不正利得の徴収等を行う。また、国保連に連絡し、当該サービス事業者に支払うべき介護報酬からこれを控除させる措置を行う。

 返還の対象となった介護報酬に係る要介護者等が支払った自己負担額に過払いが生じている場合には、当該サービス事業者に対して、当該過払い額を要介護者等に返還するよう指導する。

(3) 行政上の措置の公表等

監査の結果、指定取消等処分を行ったときは、法の規定に基づき、速やかにその旨を公示する。また、法第78条の10及び第115条の18に該当する場合は、その旨を兵庫県知事に届け出る。

(県への通知)

第16条 指導又は監査を行った結果、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を兵庫県知事に通知する。

(1) 法第74条第1項、第81条第1項、第88条第1項、第97条第2項、第110条第1項及び第115条の4第1項の厚生労働省令で定める基準又は員数を満たしていない場合

(2) 法第74条第2項、第81条第2項、第88条第2項、第97条第3項、第110条第2項及び第115条の4第2項に規定する基準に従った適正な運営がなされていない場合

(3) 法第77条第1項、第84条第1項、第92条第1項、第104条第1項、第114条第1項及び第115条の8第1項の各号のいずれかに該当する場合

(4) 法第100条第3項に該当する場合

(その他)

第17条 指導結果の通知、勧告及び命令を行った場合は、その内容についてサービス事業者の事業活動区域に該当する他の市町村への情報提供を行うとともに、利用者保護の観点からできる限り開示を行う。

この告示は、平成20年4月1日から施行する。

別表第1(第6条第1項関係)

指導対象の選定基準

指導の形態

選定基準

集団指導

(1) 介護給付等対象サービスを開始したサービス事業者でおおむね事業開始1年以内の事業者

(2) 書面指導及び実地指導の対象外とされたサービス事業者で、指導内容に該当する事業者

(3) その他集団指導を行うことが適当と認められるサービス事業者

書面指導

(1) 集団指導の対象事業者であって、前年度集団指導に出席していないサービス事業者

(2) 前年度、実地指導を行ったサービス事業者であって、当該年度は実地指導の必要はないが、継続的に指導が必要と認められるサービス事業者

(3) その他書面指導を行うことが適当と認められるサービス事業者

実地指導

一般指導

(1) 前年度及び前々年度、集団又は書面指導の対象となった介護保険施設、指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者及び指定介護予防サービス事業者

(2) 前年度、集団又は書面指導の対象となった指定地域密着型サービス事業者、指定地域密着型介護予防サービス事業者及び指定介護予防支援事業者

(3) 内部告発、利用者及びその家族、国保連及び兵庫県等からの情報提供を受けて、指導が必要と認められるサービス事業者

(4) 法に規定される勧告、命令を受け期日までに改善を求められたサービス事業者

(5) その他特に一般指導が必要と認められるサービス事業者

合同指導

(1) 複数の市町村で指定を受けているサービス事業者

(2) その他特に合同指導が必要と認められるサービス事業者

別表第2(第13条関係)

監査の選定基準

(1) 介護給付等対象サービスの内容に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

(2) 介護報酬の請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

(3) 法第74条、第78条の4、第81条、第88条、第97条、第110条、第115条の4、第115条の13及び第115条の22に規定する基準に重大な違反があると疑うに足りる理由があるとき。

(4) 度重なる一般指導及び合同指導を行っても、介護給付等対象サービスの内容又は介護報酬の請求に改善がみられないとき。

(5) 正当な理由がなく一般指導及び合同指導を拒否したとき。

別表第3(第15条関係)

直ちに指定取消等処分ができる事由

(1) 次に掲げるときその他事業者が自己の利益を図るために指定基準に違反したとき。

ア 地域密着型サービス及び地域密着型介護予防サービスの提供に際して、利用者が負担すべき額の支払いを適正に受けなかったとき。

イ 居宅介護支援事業者若しくは居宅介護予防支援事業者又はその従業者に対し、利用者に対して特定の事業者によるサービスを利用させることの代償として、金品その他の財産上の利益を供与したとき。

(2) 利用者の生命又は身体の安全に危害を及ぼすおそれがあるとき。

(3) その他第1号及び第2号に準ずる重大かつ明白な指定基準違反があったとき。

養父市介護保険サービス事業者の指導及び監査実施要綱

平成20年3月31日 告示第35号

(平成20年4月1日施行)