令和4年度 施政方針

更新日:2022年02月28日

令和4年2月28日、第110回養父市議会(定例会)に市長が説明した施政方針を全文掲載します。

 

はじめに

本日、第110回養父市議会定例会を開会いたしましたところ、議員の皆さま方におかれましては、ご健勝にてご出席賜り、令和4年度予算案をはじめとする市政の重要課題につきまして、ご審議いただきますことに感謝し、厚くお礼申し上げます。

それでは、令和4年度の各会計予算をはじめとする諸議案のご審議をいただくに当たり、市政運営につきまして、所信の一端と、重点施策の概要について申し述べ、議員各位並びに市民の皆さまに対しまして、ご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

この2年間は、新型コロナウイルス感染症拡大防止と収束に向けた取組、経済対策についてスピード感をもって進めてきたところです。

新型コロナウイルス感染症対応は、我々市行政だけで成し得るものではなく、市民全員で、市を挙げて取り組む必要がありました。この2年間様々な局面におきまして、市民生活上ご心配とご不便をおかけしました。その都度、ご理解とご協力をいただきました市民の皆さま、ワクチン接種にご尽力いただいた医療関係者の皆さま、学校生活において様々な制限の中で前向きに教育・学習活動に取り組んでいただきました教職員並びに児童生徒の皆さま、その他多くの関係団体・組織の関係者の皆様のご協力に深く感謝申し上げます。

引き続き、市民の皆さまと一緒になって新型コロナウイルス感染症という困難を乗り越え、未来に向け安心と希望に満ちた養父市づくりを進めていく所存でございます。今後とも引き続きご協力をいただきますようお願いいたします。

昨年10月に養父市のまちづくりの方向性を示す「養父市まちづくり計画」を策定いたしました。新たな計画は、これまでの考え方を原点に返り検討し直し、「我々が住む養父市の10年後がどうあるべきか」ではなく、「次の世代が住む養父市がどうあるべきか」を考えることとし、30年後のまちづくりをデザインしていこうという視点に立った計画となっております。

急速に進む少子化、人口減少問題の克服と地域経済の活性化による持続可能なまちづくりといった、養父市が抱える根源的課題が変わるものではありませんが、視点を新たにして取組を進めてまいります。

また、昨年10月、国においては首相、県においては8月に知事が代わり、養父市を取り巻く環境も大きく変わり始めました。

1月17日に開会された第208回通常国会における、岸田首相の施政方針では、新型コロナ対応とコロナ後の新しい日本を創り上げるための挑戦として、新しい資本主義、気候変動への対応、全ての人が生きがいを感じられる社会、地域活性化、災害対応などについて示されました。

その中でも、成長戦略の第1の柱として挙げられたデジタル田園都市構想の主役は「地方」であるとされ、デジタルを活用するためのインフラを整備し、サービスを実装して地域活性化を進めていくとされています。養父市においても、サービスの実装に向けて歩みを進めてまいります。

また、「全ての人が生きがいを感じられる社会へ」として、「新しい資本主義を支える基盤となるのは多様性が尊重される社会である」とも言及されております。

「多様性の尊重」について、養父市では、「養父市まちづくり計画」を基本とし、「第4次男女共同参画プラン」の策定、「第2次環境基本計画」や「地域防災計画」の策定などが行われ、全職員を対象としたSDGs研修、民間企業と一緒になったSDGs研修などの取組にも着手しており、引き続き、知識の習得、意識の改善、行動の実践といったことを進めてまいりたいと考えております。

兵庫県においては斎藤知事のもと、組織・地方機関の見直し、事務事業の見直しなど、県政改革方針が公表されました。

2月15日には、「躍動する県政」に向けた第一歩の予算として行財政改革を基盤とする、「新型コロナウイルス感染対策」、「産業と人材育成」、「万博客誘致」、「細やかな子育て支援」を重点とする令和4年度予算が発表されました。

2月16日から県議会定例会が開催され、予算案等の審議が行われているところです。

国の経済動向に目を向けますと、内閣府がまとめる月例経済報告(令和4年2月)には「景気は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられる。先行きについては、「感染対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、各種施策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、感染拡大による影響や供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要がある。また、金融資本市場の動向等の影響を注視する必要がある。」とされ5か月ぶりに下方修正されています。

国や県の動向、すう勢はそのまま市政の運営に直結いたします。

国・県の動向等を見極めながら、市民にとりまして最大限の成果を生み出すことができますよう、令和4年度の市政運営に細心の注意を払ってまいりたいと考えています。

 

1.市政運営の基本方針

それでは、令和4年度の市政運営の基本的な考え方につきまして、述べさせていただきます。

養父市まちづくり計画は、「やぶ2050 居空間構想」とし、互いに「理解し合う、協力し合う」ことを感じる空間、豊かな自然や環境への配慮と文化・伝統の「分かち合い」を感じる空間、先端技術で「出会い、つながり」を感じられる空間を創造していくこととしております。

これから私たちが住む世界は、物理的空間、位置、時間に関係なく瞬時に世界中の人とつながることができるデジタルグローバルの時代となります。

デジタル社会は、ICT技術を駆使し、人々が住みやすい幸せな社会を作ることと理解していますが、その本質は国籍、人種、思想、信条、世代、男女、障がい、教育、貧富など全ての格差が無くなること、あらゆるものの「際(きわ)」が解消できることであると理解しています。

すなわち、ひと一人ひとりの誰もが自分が持ち得る能力を最大限に発揮できる、可能性に満ちた社会が出現することであると理解しております。

また、現代を生きる私たちは、未来に生きる人たちの立場(視点)に立って理想的未来社会をデザインする「フューチャーデザイン」を行っていかなければなりません。そのためには私たち今を生きる者は、未来のまちの姿や生活を想像し、対話することで、今やるべきことややるべきでないこと、新しく始めるべきことを考えていかなければなりません。

まちづくりは、行政だけで成し遂げることができるものではなく、養父市に関わる全ての人々の参画が必要となり、養父市まちづくり計画のもとで、市民の皆さまと共に成長していくことができればと考えております。

「居空間」を構想とする養父市まちづくり計画には、物質的・経済的な豊かさだけではなく、互いに理解し、協力し合うことで、心地良い空間を創出し、心の豊かさを生み出していくことが重要であるとの思いを込めております。

このような考えのもと、令和4年度の「市政テーマ」は、

「未来の養父市をデザインする ~心ときめく快適な社会の創造~」

といたします。

また、養父市まちづくり計画で定めた、「市民」、「地域」、「公共」を市政運営の3つの柱といたします。

 

2.予算編成の基本方針

次に、令和4年度の予算編成の基本的な考え方につきまして、ご説明申し上げます。

歳入の総額は、令和3年度を6.6%下回る厳しい財政状況となっております。特に、歳入の約半分を占める地方交付税については、2%減となる87億2,000万円を見込んでおります。

歳出におきましては、マイナンバーカードの取得によるメリットを享受できるようにデジタル化を集中的に推進していく経費、新型コロナウイルス感染症の対策経費、近年の気象災害が大型化・激甚化、頻発化していることに対応するための強靭化経費等が多く必要となっております。

デジタル化社会に向けた取組及び地方創生の推進、やぶ市民交流広場を核とした文化芸術の振興、新型コロナウイルス感染症対策を含めた市民の安心・安全を守る、コロナ後の新しい時代を見据えた社会づくりといった視点に立ち、編成しました令和4年度の一般会計当初予算額は、前年度予算額197億3,000万円に対しまして、6.6%減の184億3,000万円を計上いたしております。

次に、特別会計についてでありますが、令和4年度当初予算額は、前年度予算額76億8,300万円に対しまして、1.4%増の77億9,400万円を計上いたしております。

企業会計についてでありますが、令和4年度当初予算額は、前年度予算額42億6,500万円に対しまして、12.4%減の37億3,600万円を計上いたしております。

この結果、一般会計と特別会計及び企業会計を合わせた予算の総額は前年度の当初予算総額316億7,800万円に対しまして、5.4%減の299億6,000万円を計上いたしております。

 

3.主要な施策

それでは、まちづくりの3つの柱及び新型コロナウイルス感染症対策について、その概要をご説明申し上げます。

一つ目の柱「市民」について申し上げます。

養父市まちづくり計画で柱とした「市民」ですが、 市民一人ひとりにとって心地が良いと感じることができるまちづくりを通して、多様性と個性あふれる持続可能な空間を創造し、世代を問わず“つながり”の中で学び合い、自らの選択をもとに自分らしく生活できる暮らしの実現に取り組んでいきます。

今、医療を含めた科学技術の進歩により超高齢化社会に向かっていく中で、「社会的孤立」という問題が顕在化しており、その解消を進めていかなければなりません。

このような中、地域や社会とのつながりという観点で、「社会的処方」という概念が注目を集めています。

医師の西智弘(にし ともひろ)氏が編著された「社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法」によると、「社会的処方」とは「薬と同じように『社会とのつながり』を処方することで、個々が抱える問題を解決するというもの」とあります。

例えば、うつ病を抱えている患者さんを地域の趣味のサークル活動とつなぐなど、心身の不調を治療する際に薬で対処するのではなく、地域資源を通して生活環境を変えて困りごとを解決するのが「社会的処方」のアプローチであるとされています。

包摂社会実現に向けての有効な手法と考えられます。

そして、「社会的処方の要はリンクワーカー」であると言われております。リンクワーカーとは、医師などの専門職と地域・社会資源との橋渡しを担う人のことです。

我がまちの文化・芸術をはじめとする地域資源や社会資源を再認識したリンクワーカーが活躍できる養父市をつくるためには市民一人ひとりが支援を要する人々の役に立つ「処方箋(お薬)」になるとの意識が芽生える、自覚ができるような共助、互助のまちづくりが重要であると考えております。

中山間地域における農耕を基盤とした暮らしに誇りを持ち、市民が中心となり、自然、歴史、文化を生かし、過疎化、高齢化が進む地域社会において、安心、快適に暮らすことができる、また、あらゆる世代が社会とのつながりを持つことができるような新しいモデルを確立していくための施策として、関宮地域局周辺整備事業を進めてまいります。

旧役場所在地で、役所や交通、買い物、医療・介護、教育、金融などの主要施設が集中する関宮地域局周辺一帯を「関宮小さな拠点」と位置づけ、医療・福祉・子育て・スポーツ・交流・防災など、市民活動の核となる拠点を整備するため、令和4年度は、旧庁舎解体や周辺用地造成の設計などを進めてまいります。

さらには、福祉制度の充実を通して、市民一人ひとりが住み慣れた地域で生涯安心して過ごすことができる地域社会の実現を目指し、行政による福祉サービスのみならず、地域の支え合いにより問題解決に取り組んでいくことが重要であると考えております。

一般企業で働くことが難しい障がい者の方が、自分の体調やペースに合わせて働くことができるように障がい者就労等促進事業として、実習を受ける障がい者と受け入れる事業所に奨励金を交付し、就労の促進と定着を進めてまいります。

生涯健康的に暮らすことができる環境を整えていくため、ホームヘルパー等介護人材資格の取得に必要な費用の助成を行い、継続的、安定的な人材育成を進めてまいります。

また、加齢とともに耳が聞こえにくくなり、それに伴って外出機会が減ってくる、引きこもりがちになり社会性が失われていく、これらのことが原因となってフレイルや認知症状が進行してしまう心配がある等の声も届いております。一人でも多くの方に社会とのつながりを維持しながら健康で幸せに安心して生活していただくために、補聴器購入補助制度を創設いたします。

教育分野においても、過疎化・少子化が進む養父市において、これからの変革の時代にふさわしい、「たくましく・しなやかに・強く」生きることができる、「社会や地域に貢献する」人材育成を目指し、教育のあり方を検討するため「養父市教育のあり方検討委員会」を設置し、学校教育のあり方や地域と学校の関係などについて議論を進めてまいります。

これまでのような学校に対する支援や協力ではなく、学校の運営に積極的に参画していただける地域との関係を築いていくことを検討する等、学校教育の大きな転換点になると考えております。

令和3年度中に策定する第4次男女共同参画プランにより、全ての人が性別や年齢に捉われることなく、お互いの人権を尊重し、責任を分かち合いながら一人ひとりの能力や個性を十分に発揮できる社会、誰もが自分らしく暮らすことのできるまちづくりを進めてまいります。

 

次に、二つ目の柱「地域」について申し上げます。

地方創生の取組の中で受け入れてきた多くの移住者や企業、養父市を支える全ての人々とともに、“つながり”や“支え合い”を育むインクルーシブ(包摂的)で開かれたコミュニティ(地域社会)が形成できるように取り組んでまいります。

子ども第三の居場所整備事業として、子どもが安心して過ごせる居心地の良い場所を設置し、将来の自立に向けた生きる力を育みながら地域とつながる環境を作ってまいります。

この拠点施設をハブとして、行政、NPO、市民、企業など多くの方々と協力して、誰一人取り残されることがない地域子育てコミュニティを創ることで、みんながみんなの子どもを育てる社会を目指してまいります。

開かれたコミュニティをつくることは、養父市の中での新たな挑戦を可能にするとともに、まちの持続性を高めることにもつながります。

次代を拓く農林業を推進していくために、人と環境にやさしい農業への転換と拡大を掲げ、農業者だけでなく市民全体で農業の価値と役割を共有し、多様な担い手の確保や新たな農畜産業関連技術の導入、それらを支える耕作放棄地対策や有害鳥獣防護対策、大塚地区などの基盤整備事業を効率的に行うことによって、なつかしい農業・農村の維持保全と持続可能なまちづくりを進めてまいります。

また、市域の8割以上を占める森林についても、森林環境譲与税を活用して、小規模な間伐や緩衝帯の整備などの森林整備や、危険木の伐採などの環境整備を実施できるよう、新たな対策を講じてまいりたいと考えております。

森林整備事業により2050年カーボンオフセット、SDGs(気候変動対策、豊かな海、豊かな陸)の実現に向け、大きな役割を果たしたいと考えています。

国家戦略特区(中山間農業特区)として、法人農地取得事業など大胆で挑戦的な養父市の取組は、全国的に高い評価を得ているところですが、更に、市内企業等による農地取得(法人農地取得)を進めることにより新たな農業の担い手確保と耕作放棄地の解消に努めることといたします。

さらには、多彩な人によって創出される地域資源を活用した事業として、開設から10周年を迎えるおおやアート村「ビッグラボ」で10周年記念展やシンボルモニュメントの設置などを行うとともに、名草神社保存修理工事の完成を記念し、地域と一体となって記念イベントを開催いたします。

人口が減少してもコミュニティの力が薄れることなく、誰もが安全・安心に暮らせる豊かな地域社会が実現できる施策を実施してまいります。

また、特定不妊治療費助成金について、令和4年4月から始まる不妊治療への公的医療保険適用の開始に伴い、現行の助成制度を見直し、新たな「特定不妊治療費助成金」制度を創設いたします。4月以降、不妊治療に取り組む方への助成と現行の助成制度から移行する中で年度をまたぐ治療についても不妊治療に支障が生じないよう経過措置を講じ、引き続き個人負担の軽減をすることで不妊治療に取り組みやすい環境を維持してまいります。

子宮頸がんワクチンにおいても、国の方針により積極的勧奨が8年間差し控えられていましたが、ワクチンの有効性が不利益を上回ることから、国の通知に基づき積極的勧奨を再開すると同時に、接種の機会を逃した方への救済も実施いたします。不妊リスクとなる子宮頸がんですが、不妊の予防支援の一つとして、ワクチンについての丁寧な情報提供と接種勧奨を進めてまいります。

 

次に、三つ目の柱「公共」について申し上げます。

常に進化し、発展し続ける養父市を実現するために、市民や行政だけでなく様々な「公共」すなわち社会全体で、あらゆる主体が行う活動をサポートしていくことが重要になっていきます。

将来を担う子どもたちが、あらゆる分野に興味を持ち、その可能性を伸ばしていくため、居空間構想拠点の整備を行ってまいります。ここでは、パソコン、カメラ、VR(バーチャルリアリティ)関連機器などデジタル機器をそろえ、子どもたちが制限なく自由に使え、様々なことに挑戦できる環境を整えてまいります。

また、デジタルグローバルに対応していくため、場所や時間、国籍、性別など関係なくつながることができる地域連動型メタバースを構築してまいります。

メタバースとは、コンピューターやコンピューターネットワークの中に構築された現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスのことを指し、最先端のデジタル技術を駆使することから、スマートシティと連動した取組となります。

仮想空間であるため自由にまちづくりができますが、地域連動型とすることで養父市の観光名所や実際の風景などを取り込んだまちを創り、養父市の文化なども再現したバーチャル空間を創り出してまいります。

この仮想空間においてデジタル住民票(仮称)を発行し、「つながり市民100万人都市」を目指してまいります。仮想空間でのつながりが、仮想の中で終わることなく、実際に養父市に訪れたい、養父市の事業に寄附をしたい、参画したいと思っていただき、仮想と現実がつながるような仕組みを構築してまいります。

また、先端技術の積極的な活用ができる環境を整備していくため、ドローンフィールドの整備を進めてまいります。

国家戦略特区制度の活用により多くの企業がドローンの活用の検討や実証実験を養父市で実施していただいておりますが、これらの取組がさらに前進していくような拠点整備を行います。

さらには、新型コロナウイルス感染症の発生以降、急速に浸透し始めたワーケーションですが、養父市版ワーケーション推進事業として、ビジネスマッチングを伴うワーク(働くこと)を重視した新しいワーケーションの形を構築し、事業者間の連携を強化するとともに、地域の活性化や新たな「つながり」の構築に注力してまいります。

これらの取組を通じ、様々な課題の解決や新たな事業を模索する市内事業者と、地域の資源を活かして新しい革新的事業の構築や創出を行おうとする全国の「志」高い事業者への支援を行ってまいります。

その他にも、参画と協働を進めていく事業として、提案型市民協働事業では、市民が様々な挑戦を行う機運を高め、社会全体で力を合わせて必要な環境を整備し、それを多様な主体によって支え合う仕組みづくりを行うことで、地域が持続的に豊かになっていく施策に積極的に取り組んでまいります。

空き家対策事業では、年々、空き家の数が増えていく中、地域と一緒に空き家対策について考えていくための補助金制度を創設してまいります。

次に、新型コロナウイルス感染症の対策についてです。

新型コロナウイルス感染症については、引き続きスピード感をもって対応してまいります。

地域経済の活性化に好影響を与えた、みんなで使って応援!養父市クーポン券事業をデジタル社会にふさわしい電子決済等を取り入れた新たな手法の導入も検討しながら、令和3年度に引き続き実施してまいります。

また、事業者チャレンジ事業として、アフターコロナ、ウィズコロナを見据えて、事業の転換や異分野への参入、新規創業などに挑戦する事業者を積極的に支援してまいります。

新型コロナウイルス感染症については、これまでの「ゼロコロナ」を目指した取組は現実的ではなく、インフルエンザのように共存していくものであると認識し、地域経済、地域医療、教育など、ニューノーマル(新たな常識)を考えていく必要があると感じております。

 

4.市政運営の執行体制

次に、令和4年度の執行体制について申し上げます。

市民起点によるまちづくりを行政組織理念に掲げ進めている行政経営(マネジメント)は、取組を始めてから5年目を迎え、職員への浸透も進んできたことから、令和4年度は、行政経営改革プランを作成し、組織力の向上などを行い、より高い成果が出せるよう取組を深化してまいります。

また、活力のあるまちづくりを進めていくためには、官民の連携が重要となります。より一層の官民連携の強化を図るため、養父市において集客力が高い、とがやま温泉天女の湯、氷ノ山国際スキー場や道の駅ようか但馬蔵といった市有施設の運営のあり方等について検討を行い、これまで以上に積極的なまちづくりを進めてまいります。

 

むすびに

以上、市政運営に関する所信の一端と、令和4年度当初予算案などについて申し上げました。

昨年、東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルス感染症の影響により、無観客という前例のない形での開催でしたが、連日熱戦が繰り広げられました。その興奮冷めやらぬ中、2月20日まで開催された、北京冬季オリンピックは閉会し、3月4日からはパラリンピックが10日間の予定で開催されます。

世界の中では、様々な問題から紛争などが起き、犠牲になられた方や避難を余儀なくされた方々、また、日々生命の不安を抱えながら生活している人々も多くいます。そのような中、オリンピック・パラリンピックは、国籍などにとらわれることなく、選手同士が尊敬し合い、奮闘する姿に多くの感動と大きな勇気をいただきました。我々も、互いに助け合い、尊敬し、協力し合いながら、全力で快適で住みやすい、居心地の良いまちづくりに取り組んでいかなければいけないと気持ちが引き締まる思いです。

さて、2040年頃にはAI(人工知能)が進化を遂げ、人間の知能を超えるレベルまで発達する技術的特異点、いわゆる、シンギュラリティーという現象が訪れるといわれています。

また、その段階では人の社会はどのように変わるのか、どのような影響が出るのか、ということが議論されています。

このような時代が目前まで迫っている今、我々は、過去や前例から未来を予測してアウトプットするAIの得意分野ではなく、人にしかできない不可欠、必要なこと(エッセンシャル)、あるいは創造的(クリエイティブ)分野、例えば、過去の延長線上にない非連続な発想を生み出していくことが求められると考えています。

また、地方創生といえば、少子化、高齢化が進展し、人口が減少する、若い世代が都市に流出して帰ってこないため地域の担い手がいなくなる、この様な課題を解決するため、企業誘致や企業支援による雇用の創出、経済の活性化、移住定住の促進や交流人口増加対策など経済的、かつ、人口問題的な外形価値を主体とする取組に注力してきました。

しかし、これからは、養父市に住む人が快適に生きるために大切な根源的なもの、農業(食)、医療(命)、芸術・文化(心)を中心にした快適なまちづくり、「居空間」づくりを進めることが、新しい(真の)地方創生につながると考えております。

今後進展する長寿社会における「健康加齢」をテーマとして地域住民の健康・医療のあり方(特に生活習慣病、認知症など)を社会との繋がりの重要性を含めて、医学・疫学的に研究する機関の設立について、地元出身の学識者にも協力いただきながら検討をはじめます。

これは、地域の医療における「医学的処方=病気の治療」と「社会的処方」を組み合わせ、ニューノーマルな考え方として「健康加齢医療」の創出を目指すもので、地域加齢社会未来医療をベースとした地域医療のモデルを構築し、養父市から全国に発信していきたいと考えています。

古代ギリシャの哲学者 アリストテレスは「一羽のツバメが来ても夏にはならないし、一日で夏になることもない。このように、一日もしくは短い時間で人は幸福も幸運にもなりはしない」と言い、プロ野球選手であったイチローは「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています」と言っていました。

古代から現代に至るまで、道を切り開いていくための本質は変わっておらず、短期的な結果に一喜一憂するのではなく、正しい長期視点を持って一歩一歩着実に継続していくことが重要なことであると考えて養父市のまちづくり計画は、ビジョンの期間を、これまでの10年間から30年先を見て地方創生に向かって積み重ねていこうという計画にしております。

日々努力した分だけ、目指すべき姿に近づいていく、そのことを心に刻み、自らが思い描いたまちになるよう歩みを止めることなく進めていきたいと考えております。

令和4年度は、養父市誕生から19年目となります、改正民法では既に成人の領域に入っています。誕生から年ごとに成長し、立派な成人(若人・青年)としての姿を示さなければならない歳となってきました。

大人への成長に合わせ、装いも新たに2050年の未来を展望できる大人の心を持った「若人・青年」が、大人らしい行動をするにふさわしい立派な行動規範、目標としての「養父市まちづくり計画」も出来上がりました。

歌人の与謝野晶子は1922年(大正11年)に発表した「若き人人に」という文書で、「かくして古来の地上に最も価値ある事業の大部分は、青年の頭脳と、心臓と、筋骨から作り上げられた」と述べ、また、「魂も肉体もみずみずしい人間の内から押し出す旺盛な力は世の中の行き詰まりを解消し発展と進歩をはかる」とも述べています。

養父市は、今まさに青年になり、市が抱える幾多の課題、難題を若者らしくみずみずしい魂、肉体から押し出す旺盛な力で解決し、最も価値ある事業を作り上げる大切な時を迎えています。

新たな飛躍の時を迎えたのです。

令和4年度は、新しい「養父市まちづくり計画」策定後の最初の予算編成となり、新たな目標に向かって取組を始める年となります。

歩みを止めることなく、養父市創生を実現させるため、市民の皆様とともに市政運営に打ち込んでまいります。

議員各位を始め、市民の皆さまのなお一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、令和4年度の施政方針といたします。

 

令和4年2月28日

養父市長 広 瀬 栄

 

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