令和5年新年職員訓示
皆様、あけましておめでとうございます。
今年の元旦は素晴らしい初日の出でした。初日の出を見ていると、今年一年何かいいことがありそうなスタートの一日でありました。今年は卯年で、ウサギはよく飛び跳ね、たくさん子供を産むため子孫繁栄の象徴でもあります。今年一年、飛躍するとともに、これまでの挑戦がしっかりと実り、その成果が出て、養父市が繁栄する、そういう一年にしていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
昨年はロシアがウクライナへ侵攻し、国際秩序というものが揺るいだ年でありました。併せまして、燃料や食料が不足して価格が高騰し、諸物価が上がった年でもありました。景気がなかなか戻らない、給料が上がらないという景気の低迷感が漂うような年でもあり、また、元総理が凶弾に倒れられて亡くなるという、国内においても非常に不安が漂うような年でもありました。
このような、尽きない不安の中でどのように向き合わなくてはいけないのか考えさせられた一年でもあったと思っております。我々はそのような不安がつきまとう今の時代の中で、どう市民の皆様方に安心していただいて、そしてそこで暮らすことに喜びを感じていただけるのか、快適さを感じていただけるのか、そのようなことを、今まで以上にこの令和5年は、市役所そのものが考えながら、施策を行っていかなくてはいけないと、この元旦に深く考えていたところでございます。経済的に非常に豊かになってきて、それがある部分行き詰まり、成熟社会になったということでありますが、そういう中で我々は何を求めていくか。ある一定の豊かさを手に入れて、その中であと何を求めるか。やはりこれは、人と人との繋がり、安心であろうと考えております。今、養父市は、まさしく、そういう方向に向かって進んでいるところであります。
一昨年、まちづくり計画を作りました。やぶ2050居空間構想は、快適な住みやすい空間を作っていこうというものであります。まさしく、今年は、居空間構想の実現に向けて、いよいよ本格的に躍動していく、稼働していく年だろうと考えております。社会的処方という手法を取り入れながら居空間構想の実現を図っていくのだということを、昨年一年間、タウンミーティング等含めて、市民の皆様方に周知してまいりました。いよいよ今年はそれを実現に移す年であります。
昨年の市の行政を振り返ってみますといろいろな課題があらわになった年でもありました。
一つは、地域医療の確保ということであります。12月から八鹿病院での分娩ができなくなりました。市民の皆様方には非常に大きな不安を与えたということであります。これを何とか解決しなくてはいけないと思っております。
それから、JRをはじめとします地域公共交通。これも人口減少化の中で、維持が難しいというようなことが言われて、議論が巻き起こった年でもありました。しかし、人々がここで快適に安全に暮らすためには、地域公共交通も維持していかなくてはいけないということであります。
それから、養父市は全国の中山間地域のモデルになるのだと、いろいろな新しい取り組みを行ってきており、それらは高く評価されて、実績も残してきているところでありますが、例えば国家戦略特区にとっても今年は大きな転機の年となります。養父市の中山間地域の農業を維持していかなくてはならず、食料をしっかりと生産することがやはり地域にとって大切であり、国にとっても大切であります。そのことを成し遂げるためには、ある大きな課題を解決しなくてはいけない。それは、後継者の問題であります。高齢化して後継者がいない、農地が守れない、そういう状況が今どんどん日本で進んでおりますが、それでは日本の国や養父市も守れないということでありますので、何とかそれを守っていきたいとの思いで、企業による農地取得等の規制緩和を行って、大きな成果を上げてきました。しかしまだ国全体から見ると、大きな抵抗勢力があって、これは一般に認められていないということであります。今年は法律の改正の年であります。昨年来、このことに照準を合わせて、国やいろいろなところに要望等回ってきましたがなかなか厳しいものがあります。それでもこれを乗り越えていかないと、養父市の未来はありません。今年はそういうことにも、全力を尽くしていきたいと考えております。
地域医療の確保についてですが、やはり全国的に見て医師不足であります。その中でなおかつ、産婦人科の医師というのはなかなか見つけにくい。それでも医師を確保し、南但馬におけるお産が安心してできる状況にならなければ、但馬全体の地方創生は成し遂げられません。非常に難しいことでありますが、しっかり取り組んでいかなければならないということであります。
そのほかにも、例えば、マイナンバーカードの交付率・普及率は全国でも、有数、自治体の中でも、ほぼトップの状況になってきておりますが、ただ、交付率を高めるだけでは何もなりません。この普及したマイナンバーカードをいかにこれからのデジタル時代に沿った社会における行政の中に取り入れていくか、このことをしっかりやっていかなくてはいけないということであります。今、国が進めておりますデジタル田園都市国家構想に養父市も取り組んでおりますが、これをそれぞれの部局で、幅広く浸透させ、活用させていかなくてはいけないということであります。これはただ単に、経営企画部デジタルファースト課がやる仕事ということではなく、各所属のそれぞれの部署すべてが考えてやらなくてはいけません。大変なことでありますが、やりがいがある、自らの手で今の行政のあり方や社会のあり方を変えることができる、非常に面白い仕事でもあります。そのことに気づいていただいて、全員で取り組んでいただきたいと思っております。
養父市における一番大きな課題は何といっても、人口減少、少子化であります。少子化はある一つのことだけやっても、解決できない。このことをやれば少子化が解決できるというものではありません。これは施策の総合としての結果であるということであります。先ほど申しました、地域医療の確保であるとか、地域における公共交通の確保であるとか、デジタル化をいかにしっかり進めていくであるとか、その他にも教育の問題であるとか、子育てであるとか、様々な施策を、うまく融合させて、市民の皆様方が、養父市はやはりすごく良いところだと思っていただいて、初めて地方創生、少子化が解決できるというものであります。今年は皆様で、地方創生を結果としてしっかり出せるような、そういう年にしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
冒頭に申し上げましたように、卯年は、やはり躍進の年です。皆で躍進をしようではありませんか。一人一人が今まで、これで十分だ、随分やったと思っていたかもしれませんが、そのもう一歩前に出るように努力していけるような、今年はそういう年にしたいと思っております。養父市を取り巻く諸課題について、それぞれが持てる能力をしっかりと発揮していただき、地方創生を実現することが求められています。
今年一年、今まで以上に一歩前に出る、飛躍の年にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今年一年間、またみんなで頑張りましょう。
令和5年1月4日
養父市長 広瀬 栄
更新日:2023年01月04日