令和6年度辞令交付式(訓示)

更新日:2024年04月03日

皆さんおはようございます。

今日、ここに来るときに、南向きの山桜を見てみますとほぼ満開になっており、平地の桜は三分咲きほどになっていました。

この春らしい素晴らしい天候の中で、こうして新しい職員を迎え、養父市の令和6年度のスタートを切れますことを幸せに思います。

 

まず、能登半島地震についてですが、これは全ての職員が認識しておかなくてはいけません。

これまでも申し上げてきましたが、都市ではない地域の大地震であるということです。私たちはこの復興をしっかりと見つめながら、そして、これを支えていく必要があります。

過疎化が進んでいる地域での大地震です。多くの方が危険な場所から離れて、非常に不安定な避難生活をしておられます。若者たちは安全を求め故郷を離れ、また、その地で今まで、頑なに故郷を守ってきた大人たちも力尽き他の安全な地域に移住するといった現象が起きています。

人口減少が進んで、まさしく、消滅への坂を急速に転げ落ちているような様相を呈しようとしているところです。早期に復興・復旧を成し遂げ、安全安心なまちづくりを進め、そして被災した方たちが再び安心して住める、一時的避難していた人たちが帰って来られる、そういうまちにしなくてはいけません。

創造的復興が言われていますが、能登の今の姿は養父市の未来を見つめているような気がいたします。能登地方が消滅するようなことがあれば、過疎が進む日本の他の地方も、きっと将来的に維持ができなくなり消滅するであろうと思われます。

能登地方が早期に復旧・復興しまちが再生すれば、日本の地方でも、きっと持続可能な地域づくりができるであろうと考えます。今回の大地震とその復旧・復興は、日本の地方にとって大きな試金石でもあると思っています。

養父市においても引き続き支援を力一杯行いますので、よろしくお願いいたします。

 

また、3月29日には退職者への辞令交付を行いました。16人の方々が退職されました。

本日は、20人、再任用の方も含め22名の方を新たに採用いたしました。

また、出合診療所に新しく隅達則先生というすばらしい先生をお迎えいたしました。

前任の中村武志先生は先月末をもって退職されましたが、中村先生には長きにわたり地域を支えていただきました。出合地区、熊次地区の皆さまが安心して生活できたのは、まさに中村先生がおられ、地域医療が確保できていたからであると考えています。

隅先生はその後任としてご活躍いただくことになりますが、職員ならびに地域の皆さまには隅先生をしっかりと支え守っていただきますようお願いいたします。

 

また、市民課の幸福雄亮参事には、石村嘉康参事の後任として兵庫県警察本部よりお越しいただきました。土地利用未来課の江本賢治課長には、大津耕平課長の後任として兵庫県庁からお越しいただきました。お二人にはお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

 

19名の新たに採用された職員の方がおられます。

新卒の方もおられれば、社会人から採用された方もおられます。養父市役所の未来を担っていただく人材です。本日、新規採用となりました皆さんを、先輩の職員、特にここにお集まりの幹部職員、上司の皆さんは、丁寧に見守り、市役所の職員として素晴らしい職員に育てていただきますよう、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

職員の能力を伸ばすも伸ばさざるも、先輩職員の腕にかかっているということです。その当事者の評価だけではなく、指導を行った先輩職員の評価にも繋がってくるということです。

どうぞ、丁寧に、そして厳しくかつ優しく成長を見守っていただき、成長を促して欲しいと考えています。

 

最近、残念なことに、採用して数年が経ち、立派な職員に育ってきた若い職員が、ポツポツと辞めていく状況が見受けられます。

養父市職員として様々な体験をして素晴らしい職員になった、そういう職員が職場を辞め離れていくことは非常に残念であります。しかし、養父市で養い培った技術や能力は、おそらく他の自治体でも十分に大きな力を発揮するであろうと考えています。

だからこそ、他の自治体でも採用されたと思っていますが、養父市の職場はそれほどすばらしい職場であるということの裏返しでもあります。新たに採用になりました19名の職員の皆さんは、養父市役所はそういった素晴らしい市役所であるということをあらためて認識していただき、早く職場の中での素晴らしい部分をどんどん吸収し、成長していただきたいと思っています。

養父市で十分に仕事ができるようになれば、日本全国どこの地域、職場に行っても組織や地域の役に立つことができる人材に育っているということです。厳しいところもあるかもしれませんが、すばらしい職員になっていただきたいと思います。

そして、養父市役所に職を求められたということには、それなりの理由があってのことと思います、そのやりたかったことを早く実現できるようにしていただけたらと考えています。実現できるように応援いたします。

 

職員の皆さまに申し上げます。

4月1日で人事異動の辞令を発令しました。

人事というものは、いつも、悲喜こもごもというか色々な思い、感情がついてまいります。

それぞれ自分の思い通りになった人事もあるのかもしれないし、なかなか思い通りにならなかった人事もあるかもしれません。それぞれの職員の能力をしっかり伸ばし、最大限に引き出したいという思いを込めた人事でありますので、理解いただくとともに、期待に応えるような仕事振りをこれからも行っていただきたいと考えています。

1つのことに専念するのもよし、また、総合的に多くのことをやるのもよし、どちらでもよいと考えています。自分に最も合った仕事のやり方をしてください。

私が今まで経験してきた中での1つの答えとして、1つのことを生涯の仕事として追求し成果を残されてきた方、例えば専門職(スペシャリスト)と表現するとすれば、しっかりと専門職としての仕事を行ってこられた方のほとんどは、総合職としても非常に優秀な方であるということです。また、総合的に仕事を行って来られた方、総合職(ゼネラリスト)と表現しますが、総合職として秀でた人は、1つの仕事に集中しても良い成果を残すことができる素晴らしい専門職でもあるということです。

皆さまには、どちらもできる、そういう職員になっていただけたらと思います。

 

今年は節目の年であります。合併20周年の記念式典を行います。

20年前に養父市ができたとき、養父市の皆さんが、衆知を集めて新市まちづくり計画を作りました。

それの実現に向けて、この20年間まちづくりを行ってきましたが、今養父市では、令和3年度に2050居空間構想ということで、長期的なまちづくり計画を策定しました。

この具現化に向けて、今年は、1つ節目の年として一層力を入れていく年にしていきたいと考えています。

象徴的な事業の一つとして、関宮の小さな拠点整備を行います。

それと、今年は私の4期目の市長としての最終年ということです。1期目からずっと継続しながらやってきたマニフェストをさらにクリエイティブに仕上げていく年にしたいと考えています。

 

職員の皆さんには、行政マネジメント、行政経営能力向上に向けた取組を継続していただいておりますが、今年度も引き続き行います。行政マネジメントが、養父市役所における職員の、ジェネラルアーツ(一般教養、職員全員の共通した一般的な知識)となるよう、今後も続ける考えです。

市民にとって多くの価値を生み出すことができる市役所職員であるための職場文化として、行政経営の思想をこの市役所の中に定着させたいと考えています。

 

組織についてですが、今回3人の理事を設置しました。

これは、縦割り行政の解消を目的としたもので、今までも、「縦割り行政を解消し、横連携ができるための意識改革」を精力的に進めてきましたが、縦割り意識がまだ根強く残っており、これを解消し、部局横断をより積極的、効果的に進めるため理事を設けます。

令和6年度の重点施策として「デジタルの技術の活用」「女性活躍の推進と子育て環境の充実」「社会的処方の推進」の3点を挙げていますが、これらの施策は所管課だけで行うもの、また、できるものではありません。これら3重点施策を横断的に行い、大きな成果を上げていくための理事制度です。

理事の皆さんには、時には職員に疎んじられ、良く思われないようなことも有るかもしれませんが、厳しさが必要なこともあります、そのようなことも認識した上で、しっかりと責任と役目を果たしていただきたいと考えています。

職員の皆さんも、理事を中心に、部長、課長と強力な組織的横断連携のもと、市役所として市民へのより多くの成果が生み出せるような強靱な組織にしていただきますよう努力をお願いします。

 

次に地域局の重要性について申し上げておきたいと思います。

先ほど、関宮の小さな拠点のことを象徴的に申し上げましたが、地域局は旧町エリアの中心的存在であります。そこが、役場機能を失ったから地域全体の活力が低下するというようなことがあってはなりません。

地域局は、旧町エリアの頭脳です。そのエリアが持続可能な未来に向けて抱える課題を洗い出して、それぞれの関係部局を指揮、監督、指導しながら、その課題の解決を行っていただきたいと考えています。予算が有るなし、ということではありません。

その地域の課題解決のために何をしたらいいのか自らが考え、提案して、それぞれの部署に予算獲得、実施のための働きかけを行っていただきたいと考えています。地域局は、市民生活部の1部局ですが、ただそれだけの出先ではないということ、旧町エリア活性化の中核的存在であることを忘れないでいただきたいと思っています。

 

先ほど、重点施策3点について申し上げましたが、特に今年は、女性活躍の推進ということを強く訴えています。この根底にあるのは、やはり人口減少、少子化ということであり、これを解消するためには、女性活躍の推進が重要であるということです。

従来の社会は、どちらかといえば男たちが作ってきた社会であり、その社会の仕組みを根底から変えることが必要であると考えています。

従来の、社会制度や規範を女性の目線で大胆に変革することが必要であると思うと同時に、そのことが少子化の解消に繋がってくるものと考えています。

特に女性の政策決定の場への進出、各組織の指導的立場への進出、が必要なのではないかと考えます。

今年は、市長・市議会議員選挙の年です。特に女性の方に、リーダーとして政策決定等の場で活躍していただけることを期待するとともに、女性が進出し易い環境づくりと機運の盛り上げを行いたいと考えています。

 

最近、「やぶくる」(自家用有償観光旅客等運送事業)が、「ライドシェア」ということで、よくマスコミに取り上げられています。

4月1日の本日から、これまで大屋地域と関宮地域に限定していた運行が、スポット的ではありますが、地域外の、例えば、八鹿病院であるとか、Yタウンであるとか、JR八鹿駅、市役所本庁舎等まで利用できるようになりました。この後、関宮で出発式を行うことにしていますが、「ライドシェア」が大きく1歩前進したということです。

昨日のテレビ番組でも養父市のライドシェアという言葉が出ていました。

ライドシェアをこれからもっともっと、フレキシブルでリーズナブルな運用ができるようにすることで、市民が気軽に使え、公共交通移動手段の少ない養父市において、市民が利便性高く快適に安心して暮らせるような仕組みに仕上げていきたいと考えています。

 

最後に1つ、皆さまに見ていただきたいものがあります。

これは、2015年(平成27年)の今頃のある新聞広告です。

紙面1頁を使い、こんな広告が出ていました、覚えておられる方もいるかもしれません。

面白い言葉です。

「挑戦する人か、人の挑戦にあれこれ言う人か」という、たったこれだけの宣伝広告です。これは、ある会社の宣伝広告でした。

何が言いたいのかというと、皆さん方も挑戦する人になっていただきたいということです。

人の挑戦を見て、うまくいっている、失敗している、と口先だけで言うことは、とても簡単なことです、気楽なことです。

知恵も工夫も何もいらない、批判だけすればいい。

すなわち、批判するだけの人にはなるなということを申し上げておきます。

「挑戦する人か、人の挑戦にあれこれ言う人か」。

是非、「挑戦する人」になっていただきたいと思っています。

 

では、今年1年間どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

令和6年4月1日

養父市長 広瀬 栄

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