令和2年度辞令交付式(訓示)

更新日:2020年04月01日

新型コロナウイルス感染拡大防止の対応として、昨日の退職者辞令交付式でも同じように行いましたが、例年とは異なった、当事者と部長級のみによる少人数の異様な景色の中での辞令交付式となりました。

このことにつきましては、時節柄、市民へも集会やイベント等の開催・参加の自粛(いわゆる三密⦅密閉、密集、密接⦆の実施)、不要不急の外出の自粛等と言うご無理なことをお願いしている市役所として、率先垂範、模範を示さなければと言うことで、皆様のご理解をいただきたいと思います。

 

令和2年度のスタートにあたり職員の皆様に今年一年間の市政運営並びに今回の人事に対する考えをお話させていただきます。

最初に、新しく養父市職員になられました10名の皆様に心よりお祝いの言葉を贈りたいと思います。

試験競争を勝ち抜いての養父市職員としての採用です。皆様は優秀で有為な人材であることは間違いありません。

先ほど、養父市職員(地方公務員)としての宣誓を行っていただきました。

一人一人の皆さんが、清々しく、決意も新たに、希望に燃えて、との思いで代表者の宣誓をお聞きであったと思います。

どうか、これからも、長い養父市役所職員としての生活が始まりますが、初めて職員となったときの、新鮮さと初々しさを忘れずに職員生活を全うしてください。

養父市では、職員採用に当たって、新卒者枠と社会人枠を設け、年齢に関係なく、必要な人材を幅広く採用し、職員の年齢構成と職と経験の多様化を進め組織の活性化を図ると共に、就職氷河期と呼ばれる世代の皆様にも就職機会の門戸を幅広く開いているところです。

その様な意味で、今年も多様な人材を得ることができました。

年齢や職歴は異なれども、この4月に入庁された皆さんは同期と言うことになります。今後とも、同期として仲良くつながりを持ちながらお互いに励まし合い、困ったときは助け合いながら、市民にとって素晴らしい職員になられることを願っています。

 

養父市は、人口減少が国や地方で進む中で、未来に向け明るい希望の持てる持続可能なまちづくりを実現するため、国家戦略特区をはじめ斬新な施策の実施と革新的な市政運営の在り方を求め、絶えず挑戦し続けるまちです。

本日、入庁された新入職員は数年後にはその大きな力となります。

 

次の、2つの言葉を贈ります。

「石の上にも三年」と言う言葉があります。「我慢し仕事を素直な気持ちで確実に覚え、自分のものにすること、そうすれば道は自ずと開けてくる」ということであると私は理解しています。

また、「危険を恐れず新しい領域に挑戦せよ」と言う言葉を贈ります。

「若者として、はつらつと、リスクを省みることなく邁進すれば、困難は乗り越えることができる、そうして新たな展開が可能になる」と言うことです。

何か、困難や悩みがあれば遠慮無く上司や私に相談いただければよろしいかと考えています。

 

さて、今回の人事ですが、社会の大きな潮流である、働き方改革の実現、男女共同参画(女性活躍)、温暖化防止と自然環境の保全、養父市での最も大きくしかも急がなければならない課題としての人口減少問題の解決、いわゆる養父市地方創生の実現等々、明るい夢と希望の持てる未来の社会を創り上げるため、養父市を創り上げるために相応しい組織体制の構築、人材の適材適所を考え行いました。

限られた人材で、それぞれの職員の考えもある中、全ての職員を満足させることはなかなか難しいことですが、できるだけ職員個々の希望等も尊重しながら、能力が発揮でき高い満足感が得られ易い環境づくりと、個々の集合がより大きな力となり組織が求める目的(組織の使命)の実現が促進できる、その様な体制構築を心がけました。

 

それぞれの具体的な話に入ります。

基本的な考えは、先ほど申し上げましたが、適材適所、組織としての機能性、効果的で効率性を重視した人事としております。

 

養父市では、急激な人口減少の進行に対応可能なまちづくりに向け、市民協働を柱に、地方創生と国家戦略特区の推進に積極的に取り組んできました。

まず、地方創生の取組ですが、平成27年度から「まち・ひと・しごと・ふるさと養父市創生総合戦略」を策定し、若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、女性活躍の推進、健康長寿のまちづくり、企業支援など地域課題解決の視点に立った地方創生に粘り強く取り組み、中山間地域の価値の創造を図ってきました。

その結果、地方創生に取り組んで以来、この6年間で市の支援制度を利用して移住された方は211世帯、458人、このうち45歳までの若者は全体の7割以上を占めており、未来の養父市を担う若者が着実に養父市に定着しつつあります。

次に、国家戦略特区の取組ですが、農業・農村は、私たちが生きていくために必要な食糧の生産の場としての役割だけでなく、地域の伝統文化や農村コミュニティを育み、多様な生き物を育て、また、美しい田園風景は心を和ませてくれるなど、まさに私たちの生活の源、命の源となるものであり、住民の誇りであり、アイデンティティの確立、郷土愛につながります。

しかし、残念ながら、人口減少に伴う農業の担い手不足などから、中山間地域の農地の荒廃は近年加速度的に進み、農村コミュニティの維持も難しくなって来ています。近年の農業・農村の維持は生産基盤である農地の維持・保全を柱に進められてきました。即ち、農地所有制度が農業・農村を形づくってきた基礎、基盤と言えます。このことは、農村地域、地方の懸命の努力にも拘わらず人口減少に歯止めを掛けることができない地方の現状を変えようとするなら、基礎・基盤である農地制度そのものを変えていく必要があると考え、国家戦略特区へ取り組んで来ました。

今年度、国立大学法人神戸大学との共同研究により、特区の効果検証を行いましたが、特区の規制改革の特例により参入した事業者による営農面積は約50ha、農業生産高は約2億円、雇用創出数は約100人、その人的効果額は約1億7千万円にのぼるなど、特区は日本の中山間地域の抱える課題の解決と養父市の経済に大きく貢献しているとの検証結果を得ました。

そのほか、農業分野以外の特区の取組でも、着実に進展しております。

ドローンによる物資輸送の実証実験と災害対応や医療分野でのエアモビリティの活用検討を進めるための連携協定を日本航空株式会社(JAL)と締結したほか、完全自宅完結型インフルエンザのオンライン診療実現のための実証協力や地域医療の向上に係る連携協定を塩野義製薬株式会社と締結するなど、養父市国家戦略特区は規制緩和を提案・実行する段階から、規制緩和による民間の経済活動が活発化し、その経済効果を地域が享受する段階に移行しつつあります。今年度はこれらの企業と具体的な取組を展開することとなります。

特に、今回の新型コロナウイルス感染拡大は待ったなしの状況を呈しています。養父市が提案している遠隔による診断と投薬の早期実現が大きな効果をもたらします。早期実現に努力を惜しみません。

テレワークが言われていますが、特区の効果はこれら新たなベンチャー企業の関心も養父市に引きつける効果を創出しています。

私の三期目の任期の最終年に当たる今年度は、これまでの取組の成果を市民の皆様にお示しするとともに、重点的に取り組んできたこれらの施策の総仕上げの年として、一層加速させるとともに、さらなる成果を創出するための人事異動を意図しました。

 

一昨年から導入を進めている行政経営(行政マネジメント)については、2年間を掛けて、行政経営導入の意義、目的、効果などの学習、「市役所組織全体」並びに市役所を組織する最も機能的な組織形態としての「分権型組織である部」の使命を明確にしましたが、今年度は、行政経営導入の仕上げの年として、市役所が成果を生み出し、成果を市民に確実に提供でき、その結果に責任を持つ組織体として変革します。

そのためには、管理職はもとより、職員個々の更なる意識改革が必要です。行政を市民にとって最強の集団にすべく、理解と自己研鑽を願うものです。

それらを、より強く行政として打ち出すために「企画総務部」を「経営企画部」に名称変更し、それに伴う人事を行いました。

また、平成23年度からスタートした市総合計画と平成27年度からスタートした創生総合戦略がそれぞれ計画期間を終えます。地方創生の実現は養父市がかかえる最も急を要する最大の課題です。創生戦略の切れ目の無い実施が必要です。昨年度から総合計画と総合戦略の2つの計画を一体化した「新まちづくり計画(仮称)」(新しい総合戦略)の策定に向け作業を進めてきましたが、今年度は計画策定を行います。

 

新しい文化会館の建設に伴い、文化・芸術を柱とした未来の養父市づくり担う中核部門の創設を行いたいと考え、「まちづくり文化芸術推進準備室」を設置し、これに伴う人事を行いました。

この準備室は、単に新しい文化会館の文化・芸術のソフト面を担うだけのものではなく、新しい文化会館に集まる多くの人々が自由に交流し融合することで新たな価値を創造する、その様な仕組みをつくる組織の構築を考えます。

私たちの生活に根付く文化・芸術やコミュニティの醸成、文化・芸術の視点を生かした新たなイノベーションを起こし、地域の活性化につなげる活動の推進、交流人口や関係人口の拡大、多様性を理解し、他者と協調・協働する人づくり、社会づくりなど、まちづくりに関し幅広く推進する組織の構築を意図します。

 

昨年度も述べましたが、女性の社会進出、潜在的な男女格差の解消、ジェンダーの解消に努めていきたいと考えています。

女性が生き生きと輝くまちの実現の先には、移住定住の促進や少子化の解消、市民サービスの向上につながることが期待されており、こうした思いを込めて、今年度、「人権・協働課」と「やぶぐらし課」を一体的にした組織運営行います。

 

養父市のまちづくりの基本方針の3つの柱「日本一農業をしやすいまち」、「日本一子育てをしやすいまち」、「日本一福祉が充実したまち」をより強く認識し、尊重し実施するものです。

 

地球温暖化による気候変動は、自然災害の大規模化を引き起こし、人の社会に大きな被害と損失をもたらしています。

また今回の新型コロナウイルスのような予期せぬ危機も襲ってきます。それらにも適切に対応することが肝要です。

安心・安全なまちづくり、住みやすいまちづくりを目指して、それぞれの部署が抱える課題の解決に向けて、柔軟な組織運営、機動的かつ効果的・効率的な組織の管理運営ができるよう適材適所な人員配置を考えました。

 

産業・経済振興は養父市の活性化の源とも言えます。

農林業、製造加工業、サービス業、全ての産業振興に叡智を絞ります。

農業では、新たな担い手の確保と農業経営の合理化、生産量の増大、生産性の向上を図るため、市内2カ所での圃場整理を実施し、既存農家の支援と耕作放棄地の解消を図ります。

暖冬と新型コロナウイルスの蔓延は国民生活はもちろんのこと経済活動へも大きな影響を与えています。

経済活動の低迷は地域の事業者へも閉塞感をもたらしています。早急に対応し地域経済の活性化に向けた行政の努力が待ち望まれています。

地域の中小事業者のニーズを把握しきめ細やかな対応を行います。

 

市民が快適で利便性が高く、安心・安全に生活するために、また各種産業等の生産性向上を図るためには、防災・災害復旧、道路・河川・上下水道等の社会資本整備と適切な維持管理が必要です。

広大なエリアを抱える養父市では、特にきめ細やかな対応が必要となりますが、このことに対応するための事業実施と人事配置を考慮いたしました。

 

人づくりは、まちづくり、地方創生そのものです。

人づくり、教育はまちの基礎づくりと考えています。

特に、新しい教育として英語教育の充実、プログラミング教育の導入が行われますが、それらのことを円滑に進めるための事業実施と人事にも配慮しました。

医療は地域住民が安心して暮らし、地方創生を実現するためには欠かせません。

八鹿病院を中心とした地域医療の確保に努め、市民が安全・安心に暮らすことができる社会の構築に努めます。

 

ここ数年、AIの発達、台風等による大規模災害など、先行きが予測しづらい要因が急増しています。こうした状況は「VUCA(ブカあるいはブーカ)」と呼ばれており、ニュースなどで聞かれたことがある人も多いと考えますが、「VUCA(ブカあるいはブーカ)」とは、社会において予測が難しくなっている状況を表している言葉で、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の頭文字をつなげたものです。

これからの時代、社会の変動が大きく、予測できない不確実な事態が次々に起こります。市民の価値観も変化しているため、過去の成功方法をそのまま踏襲することは大きなリスクを伴います。

古い考え方や成功事例に固執せず、予測できない事態が起きても柔軟に受け入れ対応する気持ちと、前向きな姿勢が大切です。

 

決断を迷っているうちに情勢が刻一刻と変化していくこととなり、良くない結果を招くことになります。

出来るだけ早い決断と臨機応変な行動が求められます。

ソフトウェア開発手法として「俊敏な」「すばやい」という意味の英単語で「アジャイル」と呼ばれる手法があります。

これは、プログラミング開発における固定概念を覆し、仕様や設計に変更があることを前提に開発を進めることで、開発期間の短縮化や低コスト化、柔軟で迅速な対応を実現する取組です。

 

「VUCA」を基調とした「アジャイル型行政」の導入が時代のニーズとして求められています。

検討の必要があると考えています。

 

我々が求められるのは、市民起点での柔軟で迅速な対応力であります。

地域活性化、人口減少の克服を実現し、持続可能で住みよいまち、居心地の良いまちを創り上げ、そのまちの仕組みを底辺から支えるのは、市役所でありそこで働く職員をおいてありません。

職員間のコミュニケーションを重視し、より良い養父市づくりに邁進することを確認し合いながら、新しい年度のスタートにあたっての激励の言葉といたします。

 

一年間、よろしくお願いいたします。

                                                                                                           令和2年4月1日

養父市長 広瀬 栄

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