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まちの文化財(35) 小城の大庄屋記念館

まちの文化財(35) 小城の大庄屋記念館
 

    なしの木と大庄屋記念館の玄関        太公望の襖絵(小林礫川)


4月中旬、毎年お走り祭りで養父神社の神輿が大屋川を渡ります。この地域が小城です。小城集落の小高い丘の上に、大庄屋記念館があります。江戸時代後期に出石藩の大庄屋を務めた長島善右衛門(ぜんえもん)の屋敷をそのままの形で保存活用したものです。
建物の保存整備には神戸大学工学部の全面的な支援を得て、但馬最初の本格的な民俗資料館として昭和49年に開館しました。開館して33年になります。現在ある旧長島家住宅は市指定文化財であり、明治から大正時代の農村住宅をそのまの姿で保存しています。
二階建て瓦葺きの母屋と客殿となる離れが中心にあり、土蔵や納屋などをあわせて、敷地は約3,700平方メートルもあります。母屋の玄関前には樹齢200年以上もある山梨の古木があります。松や梅を植えるのが普通ですが、日頃から飢饉にそなえる心構えを養うために梨の木を植えたのでしょう。
離れの一階には、高柳に住んでいた画家小林礫川(れきせん)が描いた太公望の襖絵があります。馬をおさえる従者、地上に立つ文王、釣りをする太公望の姿が三枚の襖に書かれています。丁寧な筆致で優しい人物像が描き込まれています。他にも京都府知事として活躍した北垣国道(くにみち)男爵の瑞色香春の扁額を保管しています。「色みずみずしく春香る」と読みます。北垣さんは能座出身の偉人です。
旧長島家住宅の価値は、谷川沿いの高い石垣と広い屋敷が但馬を代表する農村風景を表し、水道や電気のない時代の豪農住宅がそのままの姿で保存活用されていることです。特に礫川の襖絵がある離れは、絵画や漢詩に彩られた農村文化の美術館といえます。

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