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まちの文化財(71) 口大屋の大アベマキ

まちの文化財(71) 口大屋の大アベマキ

ビニールを巻いた大アベマキ


大アベマキの巨木



巨樹巨木という言葉があります。巨木の目安は幹廻り3メートル、直径約1メートル以上の樹木です。巨樹巨木と呼べる国指定の天然記念物が兵庫県内に8本あります。
養父市にはその内で国指定になっている3本の巨木があります。口大屋の大アベマキ、樽見の大ザクラ、建屋のヒダリマキガヤです。いずれも兵庫県を代表する巨木です。
口大屋の大アベマキは、幹廻りは5.6m、樹高は約16メートル、樹齢は約400年です。所在地は大屋町中字法仙地です。上山高原から山道を徒歩350くだった場所で、樽見の大桜からみて南西の山側約700mの位置にあります。枝張りがよく風格もあります。
大屋地域の山々では、平成22年の7月から9月にカシ、コナラ、クヌギなどが多く枯れました。これは全長5mmほどのカシノナガキクイムシが樹木に穴を開けて卵を産み、ムシの幼虫の餌となる菌糸を樹木で繁殖させるからです。その菌糸が樹木の中で水を運ぶ組織を破壊して樹木が枯れます。そして枯れた樹木に産卵して残った卵が翌年夏に成虫となって再び大量発生します。
口大屋の大アベマキでは、根元の約40カ所にムシが穴を開けて産卵していました。木の表面は黒く変色し、地面にはオガクズが溜って枯れる直前の状態でした。2年前に幹に樹脂を塗って虫の産卵を防止していましたが、表面が破れていたものです。
そこで兵庫県樹木医学会の樹木医、宮田和男氏と鳥越茂氏に調査を依頼しました。防止対策は、第1に樹木の表面にビニールを巻いて虫の産卵を防御する。第2に樹木の中にある菌糸に殺菌剤を注入して殺菌する。第3に樹木の中にいる卵や幼虫を駆除することです。対策は特に第1と第2が重要です。樹木医による緊急治療で大アベマキを救出しました。
何百年も生きてきた巨樹巨木が自然の状態では枯死するという異常な環境変化が起きています。

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