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まちの文化財(30) 二宮神社の本殿

まちの文化財(30) 二宮神社の本殿

二宮神社本殿


向拝(こうはい)



大屋町大杉にある二宮神社は、8月16日にざんざこ踊りが奉納されることで有名です。
今回、二宮神社本殿を調査しました。外から見える建物は正面が拝殿で、その後ろが本殿の覆屋となっています。この覆屋の中に文政11年(1828)に建てられた本殿があります。
建物の規模は、正面の壁の幅が155cm、側面の壁の幅が126cmあります。神社の屋根は入母屋造(いりもやづく)りで、屋根の正面に千鳥破風(ちどりはふ)と唐破風(からはふ)を付けた丁寧な建物です。棟札には大工棟梁は濱儀四郎、木挽棟梁は河辺九兵衛という大杉村の人名が書いてありました。
特に向拝(こうはい)には豪華な彫刻があります。龍の彫刻にはガラス玉で目を作った玉眼を入れています。また白波の上をはねる兎も彫刻されています。さらに獅子の顔を彫った獅噛神(しがみしん)の彫刻があります。また縁側には擬宝珠高欄(ぎほうじゅこうらん)といって青銅製の宝珠をのせた欄干が作られています。
この建物に使われた彫刻の作者名が、脇障子の後ろ側に朱書きで彫られていました。「丹州柏原町住人、彫物師、中井権次橘正貞」のほか「中井清次郎正用、久須真助正笑」という人名です。中井正貞は中井氏の第6代目当主で、正用は正貞の弟です。
中井氏は江戸時代後期に北近畿で多くの社寺に豪華な彫刻を残した彫刻家で、丹波市柏原町に居住しました。第4代中井忠貞が大工から彫刻師に家業を転換して栄えました。中井正貞からは中井権次(ごんじ)を襲名します。そして昭和13年に作られた拝殿にも龍の彫刻があって、「彫刻師、九代目、中井権次」の銘文が刻まれていす。
二宮神社は第六代と第九代の二人の中井権次が彫刻を残した貴重なものです。江戸時代後期に作られた社寺建築の彫刻を検討する上で重要な建造物だと判明しました。

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